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ある動物愛護センター獣医師と森達也さんの会話

2010年02月03日

西日本の地方都市での講演終了後
講師の森達也さんを訪ねてある女性が控室に入って来た。
その女性は30代の動物愛護センターの獣医師。

ダイヤモンド社ビジネス情報サイト
『犬猫30万匹を「安楽死」させる僕たちの民意』の記事から
森達也さんとその獣医師さんの会話文のみ転載しました。
全文は→こちらでごらんください。

森達也さん(テレビディレクター、映画監督、作家・著書「放送禁止歌」「いのちの食べかた」など


ある動物愛護センター獣医師と森達也さんの会話
 

「お疲れなのに申し訳ありません。私はこの地の動物愛護センターに去年から勤めています」
「森さんは、動物愛護センターはご存じですか」
「……私は動物が好きで獣医になったんです」
「でも今の自分の仕事は、動物の怪我や病気を治すことではありません。犬や猫を殺すことです」
「安易な殺処分をやめさせたい。でも現状でそれが難しいのなら
せめてもっと安楽に死なせてやるべきです」


「……でもほとんどの愛護センターは、殺処分に炭酸ガスを使っているはずだから
一応は安楽死ですよね?」


「……森さん、炭酸ガスって何だかご存知ですよね」

「二酸化炭素」

「そうです。つまり炭酸ガスで殺すということは、呼吸障害で死ぬということです。
想像してください。それで安楽に死ねると思いますか」



ある動物愛護センター獣医師と森達也さんの会話



○動物の愛護及び管理に関する法律
第40条 動物を殺さなければならない場合には、できる限りその動物に苦痛を与えない方法によってしなければならない。
第一 一般原則管理者及び殺処分実施者は、動物を殺処分しなければならない場合にあっては、殺処分動物の生理、生態、習性等を理解し、生命の尊厳性を尊重することを理念として、その動物に苦痛を与えない方法によるよう努めるとともに、殺処分動物による人の生命、身体又は財産に対する侵害及び人の生活環境の汚損を防止するよう努めること。
第三 殺処分動物の殺処分方法は、化学的又は物理的方法により、できる限り殺処分動物に苦痛を与えない方法を用いて当該動物を意識の喪失状態にし、心機能又は肺機能を非可逆的に停止させる方法によるほか、社会的に容認されている通常の方法によること


でも彼女に指摘されて考えた。確かに炭酸ガスで死ぬということは、酸欠に陥って死ぬということだ。
どの程度苦しむかは、鼻と口をビニール袋で押さえて、自分で試してみればいい。




ある動物愛護センター獣医師と森達也さんの会話


 
「……言われて気づきました。確かに安楽死のはずがない」

「この国の人は、ほとんどがそう思っています。そのように広報する自治体も確かにあるし
愛護センターのような名称が、安楽死のイメージを広めているのかもしれません」

「……私も含めて職員の多くは、動物が好きでこの仕事を始めました。
だから現場の職員は毎日が辛いです。何とかしてほしいと思っています。
現状で北海道と新潟と福岡は、麻酔薬や筋弛緩剤を大量に投与して殺しています。
これなら少なくとも、絶命する前に意識喪失はするはずです。残りはすべて炭酸ガスです。
それと子犬や子猫の場合、酵素に対するヘモグロビンの親和性が高いため
例外的に麻酔薬を投与する自治体はいくつかありますが、ほとんどは炭酸ガスといっていいと思います」


「つまり、日本中の職員たちは辛い思いをしていると?」

「そう思います」

「ではなぜ自治体は、この処分方法を変えないのですか」

「安くすむからです」
「……私たちは、毎日見ています」


「犬や猫は、実際に苦しんでいますか」

「とても」
「この状況を変えたいと毎日思っています。何ができるのだろうと考えています。
だから今日は、森さんに会いに来ました。お話を聞いてもらえただけでも嬉しいです」


・・・・・も犬猫の殺処分も、多くの人が目を背けるという意味では、位相はきわめて近い。
目を背けるから行政は本能的に隠す。隠されているから、効率や予算ばかりが優先される。

その帰結として、殺す側も殺される側も含めて、多くのいのちが苦しんでいる。悶えている。
年間約30万匹以上のいのちが、安楽死という共同幻想のもとで断末魔の声をあげながら、殺処分されている。

                                           (写真と本文は関係ありません。)

「犬猫30万匹を「安楽死」させる僕たちの民意」の全文は→こちら
                                          

 
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ある動物愛護センター獣医師と森達也さんの会話
平成20 年3 月17 日から平成20 年4月17 日までの間
滋賀県民政策コメント制度に関する要綱第4条の規定に基づき
「滋賀県動物愛護管理推進計画(素案)」について、意見の募集を行った結果
189 人(団体含む)から2077 件の意見が寄せられました。
寄せられたご意見は、取りまとめの便宜上、意見の趣旨を損なわないよう要約した概要としました。
ご意見の概要およびご意見に対する県の考え方を以下に示します。(転載)
資料はこちら


殺処分方法についての 
一般からのパブリックコメント(意見)と滋賀県の答え

ある動物愛護センター獣医師と森達也さんの会話
 

意見・拡大
ある動物愛護センター獣医師と森達也さんの会話
 
答え・拡大
ある動物愛護センター獣医師と森達也さんの会話


(滋賀県の処分方法への質問の答え・2009年3月)
「ご質問の処分方法の件ですが、まだガスによる方法です。」
答えによると、処分機のメンテも高いこともあり
ガス処分が、ただ「安くすむから」だけの理由・・ではないようです。


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